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第503話
「兄ちゃん、誕生日プレゼントなにが良い?」
「優登の作ったお菓子。
それと、糖尿病に絶対にならない身体」
「病気はどうしようも出来ねぇよ」
三男の誕生日の次は、長男の誕生日だ。
の兄の誕生日は、5月5日。
こどもの日で祝日だ。
だけど、三条の家では兄の誕生日としてお祝いしている。
「切れてないロールケーキに齧り付いてみたい」
「けーきぃ?」
兄達からのプレゼントで遊んでいた綾登がピョコッと顔を見せた。
「そう。
くるくるしたケーキ。
こうやって、パクって」
その弟の手を掴むとパクッと食べる真似をする。
綾登は、きゃぁっと嬉しそうにはしゃいだ。
今日の主役はすっかりご機嫌だ。
「丸齧りは夢だよなぁ」
「夢だろ。
でも、齧るとなるとデコレーション控え目になるだろ。
それがなぁ」
溢してしまうくらいならデコレーションは控え目が良いが、デコレーションが年々上手くなっていくを見るのも楽しみの1つだ。
それはそれで寂しくなってしまう。
「あー、でも、フルーツタルトも捨てがたい。
いや、去年のチョコレートケーキ美味かった。
やっぱり糖尿病にならない身体かなぁ。
で、優登の作ってくれるお菓子食べまくんの」
「むちばになうよ」
「虫歯もこわいな。
しっかり歯磨きしないとな」
「なんでそこ、会話が成り立ってんの」
「綾登がお兄さんになったから」
「あーと、おにーさん!」
3歳のポーズをするが、やっぱり指を折り示す数字は4。
まだまだ赤ちゃんみたいなところがあって可愛い末っ子だ。
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