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第517話
楽しく食事を味わい、部屋に戻ると通話画面の向こうで長岡はソファに寝転んだまま眠っていた。
授業用ノートをつくったり、資料を探したりしていた長岡は暫しの休憩中。
起こすのは忍びないが、飯を食べ終えたら起こしてくれと言われているので電話をかける。
すぐに、画面の向こうで着信音が響き、ソファの上から手が伸びてくる。
「おはようございます」
『はよ。
ん゛ー…、寝た』
投げ出していた脚を正しく床に下ろすと、乱れた髪をざっくりと後ろへ撫で付けた。
その無防備さが、たまらなくいやらしい。
だだ漏れの色気が危なすぎる。
やましいことを考えているのを悟られないように会話で意識を逸らす。
「本当に起こして良かったんですか?」
『良かったよ。
もっかい会いたくなったからな。
今から行く』
「え、明日学校ですよ」
今日は祝日だが、曜日でいえば木曜日。
祝日は今日で終わり、明日は平日だ。
朝から学校がある長岡には負担になる。
『あぁ、遥登がやべぇか』
「いえ…、俺はオンライン授業ですし…、そんな…」
『なら、会いてぇ』
空気すらふわふわさせながら、その顔面の良さを生かし微笑んだ。
う゛…、この顔に弱い……
しかも、これは無意識のやつ
スクショしたい…
「ご、迷惑に…ならないのなら」
『決まり。
遥登の誕生日まだ祝えんの嬉しい』
寝起きのせいか、ベタベタに甘い恋人に胸のトキメキが止まらない。
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