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第531話
ふとんにくるまりしあわせそうな顔をする三条。
だけど、その額はうっすらと汗ばんでいる。
ふとんを掛ければなんだか暑い、ふとんを剥いだらなんだか寒い。
そんなこの季節独特の気温だ。
そぅっとふとんを抜け出し、換気に開けた窓を全開にした。
涼やかな風が室内に入り込み、気持ちが良い。
こんな気持ちの良い天気の中、室内で2人きりで昼寝なんてしあわせだ。
極上の贅沢だろ。
「正宗さん…、おはようございます」
背後からの声に振り返れば、三条がふとんから起き上がっていた。
けれど、目はまだ眠そうだ。
「おはよ。
まだアラーム鳴ってねぇぞ」
「じゃあ、もう少しイチャイチャしたいです」
ベッドへと腰掛けると、すぐに細い腕が伸びてくる。
今日は一段と甘えたで可愛らしい。
そして素直だ。
ちゃんと気持ちを伝えてくれる。
いつもこうだと嬉しいのだが、遠慮がちなところもすべて引っくるめて愛しているので無理に変わって欲しいとは思わない。
やっぱり、ありのまま、等身大の三条が1番だ。
「イチャイチャ?」
「ちょっとだけ」
「沢山しような」
そのまま押し倒し、嬉しそうな顔とまたふとんの中に溺れる。
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