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第547話

昼になり、お昼ご飯を持って濡縁に座る。 直射日光が当たらないようにサンシェードが張られており、案外風も通るので涼しい。 気分転換は大切だ。 いつもと違う場所で食事をすることで、気分をかえる。 流石に弟達との時間も日に日に短くなってきていた。 その分、長岡との通話時間──ただ繋げているだけの時間──が長くなったのだが。 今だけが踏ん張る時だ。 秋には合否が出る。 秋の為に踏ん張る時が、今なんだ。 「お、わっ」 「え?」 「兄ちゃん…、なんでそんなとこで飯食ってんだよ」 「気分転換」 真ん丸の目を更に真ん丸にした優登が玄関前にいる。 そういえば、高校のテスト期間か 早く帰ってくるって言ってたな 「気分転換て…。 冷房きいた部屋で食えば良いじゃん」 「んー、毎日部屋で食ってるからなぁ」 暑そうな顔で玄関を潜ると、すぐに和室の扉が開かれる。 だが、すぐに引っ込み奥から水音がした。 帰ってきたら手洗いうがい、だ。 そうして再度やってきた優登。 「1口頂戴」 「ほら、食いな」 「1口で良いよ。 で、炒飯作るから一緒に食お」 「俺の分も作ってくれんの」 「そりゃね」 ニッと笑う弟に気分転換なんて、どうでも良くなる。 「んじゃ、リビング行くか」 「行こいこ!」

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