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第552話

『冷やし中華ですか? 美味しそうですね』 「だろ。 今度、一緒に食おうな」 『はいっ!』 スーパーの方が安いと分かっているが、ついコンビニで購入した冷やし中華を啜りながら今日の出来事を聴く。 大したことがないなら、それが1番だ。 だけど、三条は昼の情報番組の話や弟の迎えの話なんかを混ぜて話してくれる。 勉強をする手を止める時があるのは…………正直、すごく可愛い。 『今日はなんだかカルピスが飲みたくて、朝からコンビニ行っちゃいました』 「なんか夏っぽいな」 『スイカも食べたいなぁとか、しょっぱいおかきが食べたいなぁとか、そんなことばっかり考えてます』 「身体冷やして、水分塩分しっかりな。 室内で油断してっての学校でもあるみたいだから、頼むぞ」 『はい。 体調崩している暇はないですから』 きゅっと、上がった口角が更に上がる。 三条の笑い方だ。 ふにゃっとしていて、だけど口角が上がっている。 好きだ。 その笑い方も、顔も。 「好きだぞ」 『え…?』 じわっと赤くなる顔。 ほら、愛おしい。 そんな三条と食べる飯はとても美味く、きゅうりを噛み締めながら照れる三条を楽しんだ。

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