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第574話

母親の作ってくれた晩ご飯をぺろりと平らげ、食後のデザート。 「アイス、うっまい」 「おいし? へへぇっ」 「綾登も食べるか? あーん」 「あーっ」 隣を陣取る三男は大きな口を開ける。 そこにスプーンを運ぶと、ニコニコの顔が更に花開いた。 「おいし!」 「美味しいな。 やっぱり、優登の作るおやつは最高だな」 「おてつあいした。 ちべたいの」 次男とどんな風に作ったのか、身振り手振りを加えて教えてくれる弟。 うんうんと話を聞く反対側にも弟。 父親の血が濃いと母親は言うが、こんなに可愛い特等席なのだから文句はない。 スイカも食べて、と1口サイズに切られたそれが目の前に置かれる。 甘やかしてくるのは弟達だけではない。 「遥登、スイカ好きだろ」 「うん。 好き」 「あーとも、すきっ」 「兄ちゃん貰うな」 まだ一次試験なのだが、家族みんなが頑張りを褒めてくれる。

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