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第595話

最善の日。 そんな日が、また訪れた。 大切で、なによりも愛おしい子の成長。 嬉しくないはずがない。 例え、通過点でもだ。 抱き下ろすとマスクごと頬を揉む。 三条が愛おしくてたまらない。 「酒飲むか」 「正宗さん、車じゃないですか」 「俺は良い。 遥登だよ」 「お茶にしませんか? コーラとか、サイダーとか」 なんとも三条らしい。 だけど、三条だ。 好きになった子は、こういう子。 丁寧で、相手のことを考えられる子。 真面目で、時々幼くなる。 いつもにこにこしているようで、沢山のことを考えている。 そんな真面目な子の努力が認められた。 嬉しいという感情だけが頭を占めている。 「なら、コンビニ行くか」 「はい。 けど…」 「ん?」 「もう少しだけ」 三条からポスッと胸に抱き付いてきた。 それで三条がどれほど嬉しいのかが伝わってくる。 すりすりと首筋に擦り寄ったり、甘えが濃い。 今日はしこたま甘やかせようと心に決めて、薄い腰を抱き寄せた。

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