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第614話

少しだけ。 完全なセックスは、まだ駄目だ。 弟達のことを考えたら軽率にしたいとは言えない。 沢山我慢をした次男。 我慢の多い青春を過ごすであろう三男。 この子そっくりの弟達まで傷付けたくはない。 だけど、この可愛い恋人を甘やかしたいのも本当。 だから、少しだけと適当な理由を付けて正当化をする。 大人ってのは狡い生き物なんだ。 臍の辺りまで顔の位置を下ろすと、ぢゅっと吸った。 色の白い肌に鬱血の色が咲くのが淫らで好きだ。 汚い独占欲がよく映える。 「キスマーク…」 「好きだろ」 「…はい」 「俺も。 俺のって感じがして好き。 キスマークがあるの知ってるのもオレだけだろ。 さいっこう」 更に下に痕を付けていく。 1つ、2つ、3つ。 増えていく淫らな独占欲に三条の下着が押し上げられていくのが分かった。 若さと我慢の長さに比例するように芯をもっていく。 それをわざと無視し今度は太股。 言い訳の出来ない場所にも自分を残す。 「そこっ」 「好きだろ」 「……それは、」 今更、三条の好きなコトが分からないなんてことはない。 好きなプレイも体位も、キスの仕方もこの頭は覚えている。 勿論、身体も。 隅々まで恋人仕様の身体だ。 「……その顔に、なら…誰だって……好きだと思います…」 「顔だけ?」 「…全部、好き」 上がる口角が抑えきれない。 本当に、愛している。

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