621 / 700
第621話
真っ直ぐに宛がうとグッと腰を突き出す。
すると、アナルは口を開けた。
生々しい肉に包まれる感覚に奥歯を噛み締める。
「あ…っ、あ……ぁ…」
久し振りの挿入だから三条は喉を晒して甘い声を漏らした。
腰に響く声に、頭の中まで掻き乱される。
イヤホンごしではない生の声。
今、目の前に愛おしい子がいて、淫らな声をあげている事実が嬉しい。
半分ほど入れたところで、一旦ナカが馴染むのを待つ。
本当に久し振りのセックス。
三条が痛みを感じないことが重要だ。
自身のことは二の次。
「…んんっ、…ぁ………な、で…」
「久し振りだろ。
切れたら痛てぇのは遥登だからな」
「いた…、く、ないから」
「ないから?」
両の腕で顔を隠したかと思えば、小さな声が聴こえてきた。
「……もっと…、ください」
本当に人の気も知らないで…と思うが、三条も我慢をした。
この数ヶ月、自分の為に頑張ったんだ。
たった1日、今日の為に。
夢の為に。
腰を掴み直し三条を甘やかす。
「あ゛…ッ」
一息に埋め込むと流石に苦しそうな顔をした。
だけど、それは満腹感だとすぐに理解する。
だって、細い脚が腰に絡んだのだから。
「息、しろ。
ゆっくり…そうだ。
上手だ」
「…は、……はぁ…、ま、さ…むねさ、ん、」
嬉しい。
セックスもそうだが、触れ合えることが嬉しい。
ともだちにシェアしよう!