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第621話

真っ直ぐに宛がうとグッと腰を突き出す。 すると、アナルは口を開けた。 生々しい肉に包まれる感覚に奥歯を噛み締める。 「あ…っ、あ……ぁ…」 久し振りの挿入だから三条は喉を晒して甘い声を漏らした。 腰に響く声に、頭の中まで掻き乱される。 イヤホンごしではない生の声。 今、目の前に愛おしい子がいて、淫らな声をあげている事実が嬉しい。 半分ほど入れたところで、一旦ナカが馴染むのを待つ。 本当に久し振りのセックス。 三条が痛みを感じないことが重要だ。 自身のことは二の次。 「…んんっ、…ぁ………な、で…」 「久し振りだろ。 切れたら痛てぇのは遥登だからな」 「いた…、く、ないから」 「ないから?」 両の腕で顔を隠したかと思えば、小さな声が聴こえてきた。 「……もっと…、ください」 本当に人の気も知らないで…と思うが、三条も我慢をした。 この数ヶ月、自分の為に頑張ったんだ。 たった1日、今日の為に。 夢の為に。 腰を掴み直し三条を甘やかす。 「あ゛…ッ」 一息に埋め込むと流石に苦しそうな顔をした。 だけど、それは満腹感だとすぐに理解する。 だって、細い脚が腰に絡んだのだから。 「息、しろ。 ゆっくり…そうだ。 上手だ」 「…は、……はぁ…、ま、さ…むねさ、ん、」 嬉しい。 セックスもそうだが、触れ合えることが嬉しい。

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