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第623話

上擦った声が頭の中を支配する。 もっと聴きたい。 もっと気持ち良くさせたい。 自分のことでいっぱいにしたい。 ねちっこく腰を動かしイイトコロを擦るようにすると、三条の腰が跳ねた。 逃げる腰に指を食い込ませ、抱き寄せる。 「ひ…っ、」 ビクビク跳ねている薄い腰が、更に煽ってくる。 こんなの気持ち良くない方がおかしい。 もっと犯したい。 2人でズブズブと沼に沈みたい。 世界で2人きりになれたら、どんな風に抱こうか。 愛おしい気持ちがセックスをと通して伝わったら良いのに、なんて子供みたいなことを思う。 あぁ、どうせなら笑ってくれ。 その顔が世界で1番よく似合っているから。 「まさっ、…さ…んんッ、はげ、し…ぃ…」 「喋る余裕あんじゃねぇか」 「なっ、…ア゛…っ、あっ」 弁を抜けたトコロを何度も突き上げる。 カリが嵌まり、抜ける旅に三条は苦しそうな声をあげたり、腰を引いたり、肩や首に爪をたててくる。 それがたまらなく愛おしい。 そりゃあ、生で出来たら良いとは思う。 折角なら0.01mmの隔たりだってない方が良い。 だけど、この世界は2人きりではなくて、三条の世界には小さな弟達も高齢のご近所だっている。 それらを含めて丸ごと守りたい。 愛したい。 それが、自分の愛し方だ。 精液で玉をパンパンにしながら言えたことではないけれど。

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