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第626話
射精すると一気に頭が冷えていく。
試験を終えたばかりの子に、こんなにがっついて大人として恥ずかしい。
もっと労りたかったのに。
これでは、身体が目的だと思われても仕方がないではないか。
グルグルする思考の中で三条の声が聴こえた。
「……まさ、さ…」
すり…っと頭がくっ付いた。
自分の意思とは関係なく身体と頭だけが冷えていく。
それを、同じ男である三条は理解してくれていて。
愛おしい。
甘えるように顔を埋め、肺いっぱいににおいを吸い込んだ。
「…好きだ」
それを伝えることで精一杯だ。
だけど、それで十分だと解る。
だって、三条の空気がかわったから。
賢者タイムが終わったら、軽くなにかを腹に入れて遠回りをしてデートだ。
だから、もう少しだけこの子に抱かれる。
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