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第633話

「はうの、ごはんっ。 どーぞ!」 「ありがとう」 「へへっ」 こんもりと盛られたご飯を受け取ると末っ子はすぐに母親の元へと戻り、また丁寧に歩いてきた。 今日は座ってて、と言われ食事の用意をしてもらう。 のだが、なんだか落ち着かない。 試験を頑張ったから、と弟は言うが、自分の為に頑張っただけ。 なのに、こんなに褒めてもらえるとは思わなかった。 「おみそちる」 「ありがとう」 「へへぇっ」 「たまには、良いんじゃねぇの」 「うん。 まぁ…、たまにはな」 隣に座った次男は漬け物をポイっと口に放り入れた。 たまになら良いのだが、綾登は目を輝かせ世話をしてくれている。 寝起きの麦茶。 食事の支度。 次はなんだろうか。 風呂は…、剃っている箇所を見られる訳にはいかないので少し迷ってしまう。 「はぅ、ちゃーちゃは」 「大丈夫。 あるよ。 ありがとうな」 「みっちゃ、ある!」 非常に甲斐甲斐しく、可愛くもあるが、やはり落ち着かない。 こればかりは長男の性だ。

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