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第649話
舌でなぞられる快感に腰から甘いモノが拡がっていく。
まるで爪先や髪の先にまで拡がるようだ。
脳味噌が溶けそうなほどしあわせで気持ち良い。
だけど、そうではない。
「ま…って、ください…っ」
快感に痺れる腰を上げなんとか停止させると、三条は身体の向きをかえた。
ベッドに寝転ぶ長岡の腹を跨ぐ体制。
羞恥心の高い三条にしては大胆な姿だ。
「……い、れます…」
「へぇ?」
「…俺だって、…出来ます」
「なんも言ってねぇよ。
けど、そそるな」
「…っ」
枕元にあるローションを手に取ると、その手が貸すかに震えていることに気が付いた。
緊張と羞恥だ。
そんなの解っている。
解っているが、情けない。
こんなことすら、いつも長岡に任せてばかりで緊張してしまうんだ。
「滴します…」
そんな自分の拙い愛撫で勃起してくれたモノを濡らし、アナルに宛がう。
ろくすっぽ慣らしてはいないが大丈夫だ。
だって、長岡のモノ。
ナカもそのサイズやカタチを覚えている。
グッと腰を押し下げ、迎え入れていった。
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