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第650話
グッと肉を割る感覚と共に腰から快感が拡がる。
「んんっ、」
それと、三条の艶やかな声。
声を殺してはいるが、殺しきれていないそれが耳に届く。
そういうホテルなのだから気にしなくても大丈夫だと言ってやりたいのは山々だが、なにせ可愛い。
三条なら少し考えたら分かりそうなことさえ、今は考える余裕がない。
まるでそう言われているようで嬉しい。
「ぁ…、……ん、…ん…っ」
最早、声ではなく鼻から抜ける音だ。
音で興奮するなんて、まだまだ若い気持ちになる。
実際、陰茎が飲み込まれていき、ソコからの圧倒的快感が大きいのだが。
悪戯に腹を撫でたいと思った。
内臓が入っているのかと疑うほど薄い腹。
そこから胸へと手を伸ばし、乳首をきゅっと捻れば三条は喜ぶ。
少し痛いのが好きなのはバレバレだ。
だけど、それをしないのは三条が一所懸命にしているから。
試験が終わったといっても、結果が出るまでは落ち着かないものだ。
終わったばかりは安堵の方が大きかったものが、時間が経つに連れ不安も混ざる。
来年度の進路が決定する大切な試験であれば殊更だ。
だから、少しでもストレスを溜めて欲しくない。
こんな不健全なことでも発散出来るのであれば、して欲しい。
だって、大切な恋人だから。
「まさ、さ…」
三条は、腰を揺すったり、僅かに上下させたりしつつ、ゆっくりと飲み込んでいく。
「ハァ、…はぁ…、はいった…」
「入ったな。
腹、膨れてる」
「そんな…ことは…、」
「照れんなよ。
もっと虐めたくなる」
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