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第651話

よくよく考えたら、ラブホテルのベッドで騎乗位なんて三条が冷静になったらどんな反応をするのだろうか。 恥ずかしがりふとんに隠ることこそ今はしなくなったが、顔を見られたくないと背中に抱き付くだろうか。 「…うごき、ます」 三条がゆっくりと腰を上げると、自身のモノが抜けていくのが見えた。 局部を晒し、羞恥心に耐える顔も丸見え。 生々しくていやらしい。 身長差的にも下からのアングルは見ることは少ないので、ここぞとばかりに目に焼き付けておく。 それに、大切なおかずだ。 この頭の正しい使い方だ。 「んん、…あ、」 カリまで引き抜き、また同じだけゆっくりと飲み込む。 ナカのやわらかな肉が次第にうねりだす。 包み込むようにキュッと締まっていた肉が、まるで奥へと誘うように蠕動活動を激しくする。 その気持ち良さに三条は気が付いた。 「き…もち、ですか」 「ん、さいっこー」 良かったとばかりに、表情が綻ぶ。 こんな欲に塗れている最中でも、いつものようなふにゃっとした顔。 ほんと、好きだな 改めて思うのは、セックスの快感より恋人への愛情。 人間にたいした興味もなかったが、今は三条限定で興味津々だ。 なんでも知りたい。 なんでも話を聴きたい。 同じものを共有することだって面倒だと思わない。 “愛おしい”と思う気持ちを噛み締める。

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