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第679話
いつもの時間のバスに揺られた三条は、そのまま近くのコンビニへと向かい、エコバックの膨らませてからやって来た。
「お菓子買ってきました。
ポテトチップスとおせんべい、チョコパイ。
これは新発売です。
コーラもありますよ」
「酒飲むんじゃねぇのかよ」
クスクスと笑うと、三条はハッとした顔をした。
「そうでした…」
「俺が買っといた。
つまみもあるぞ」
昼間っから酒を飲んだって良い。
どうする?と問うと、でも…と濁った返答がやってくる。
「正宗さんも、飲みますか…?」
「俺はノンアル。
遥登とデートしてぇし」
「なら、コーラにします」
「勿体ねぇ」
そんなこと気にすることはない。
それは、自身がしたくてすることだ。
少しでも長く一緒の時間を共有したいから。
そうしたくてするだけだ。
なのに、そうするのなら自分も飲まないと三条は言う。
人のことを考えられる良い子だと思う。
だけど、自分の祝いの時くらい良い子じゃなくても良いのにな。
「じゃあ、つまみ食おう。
遥登の買ってきたお菓子も開ける。
あとは…、あ、アイスもあるぞ。
新商品見付けたんだよ。
好きだろ」
「大好きです」
「俺より?」
「へへっ。
正宗さんが、1番大好きです」
何はともあれ、お祝いだ。
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