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第682話

心地の良い昼寝から覚醒した三条は、ふとあることに気が付いた。 正宗さん、またパンツの中に手突っ込んでる 冬だなぁ おかしな話だ。 恋人が素肌──それもケツ──から暖をとっていることから季節を知るなんて。 だけど、寒くなるとこうして暖をとるのは毎年のこと。 冬の外泊日には、こうなることがよくある光景だった。 夏は体温の低い長岡の手が気持ち良く、冬は体温の高い自分。 お互いがお互いを欲している。 それがなんだか嬉しい。 長岡に毛布がかかっていることを確認し、胸に顔を埋める。 テレビから聞こえてるくる音とは別に長岡の心音が伝わってくる。 心地の良いリズムで生きている音を奏でていた。 なんか、久し振りだな この部屋で、こうして2人くっ付いての昼寝。 そして、この空気。 すっかり甘えたの顔になった三条は、そのまままたうとうとと夢と現実の間を揺蕩う。 どちらでも、長岡はここにいてくれる。 それがたまらなく嬉しい。

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