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第687話
「おいし!」
「美味しい?
良かった。
綾登の掘ってきたさつまいもが美味しいからだね」
「みっちゃの、ごはんだもん」
「美月ちゃんのご飯、全部美味しいよな」
「なっ!」
甘くてホクッとしたさつまいもとご飯。
上にふりかけたごま塩がしょっぱくて、さつまいもの甘さを引き立てる。
おかずも甘いご飯に合う味付けばかりで長男も二男も頬をパンパンにしていた。
「綾登、お箸の練習してみよっか」
「うん」
秋になってからはじめた箸の練習。
まだ簡単に口に運べるスプーンの方が使用頻度は高いが、兄達と同じなのが良いのかなんとなくでも使うようになった。
興味を持ってくたのだから、あとは慣れるだけ。
慣れれば筋肉が慣れ、なんでも摘まめるようになる。
兄達のように、ゲームをするから箸でお菓子を食べたり。
「むうかし」
「難しいね。
でも、覚えられるよ」
「うん」
「綾登、箸使ってるとお兄さんみたいだな」
「かっこい?」
「おう。
すげぇ格好良い。
4歳みたい」
「あーと、さんさい だよ」
へへぇっと笑う綾登は満更でもない。
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