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第688話
お風呂にはいり、ほかほかの末っ子は兄の隣で麦茶を飲む。
「おー、一気」
「ぷはっ」
「漏らさねぇ?」
「おねしょ、しないもん」
「風呂上がりだし大丈夫だろ。
な、綾登」
いつもとかわらない兄弟。
べったりと長男に甘え、両側を挟む。
その真ん中でにこにこと微笑むまでがいつもの姿だ。
ここ最近は、試験前までは俺が独り占めしてたから兄弟との時間も大切にしろ、と長岡の言葉を甘えてこうして兄弟と一緒に時間を過ごしていることが多い。
入浴をしてからは長岡との時間。
どちらもかけがえのない大切な時間だ。
「ゆーとは、おねしょしない?」
「いくつだと思ってんだ」
「んーと、んー……。
なんさい?」
「16」
「あーと、さんさい!」
「赤ちゃん」
「ちがうよっ」
1人の時間も大切な三条だが、その時間もきちんととっている。
家族が学校や勤務先へと出掛けてしまえば、1人でオンライン授業。
その間にボーッと空を見ていたりする。
オンライン様々だ。
丁度良いバランスでいられるお陰で三条のストレスもグッと減り、寂しいと思うことも減った。
それに、試験という縛りがないので気も楽だ。
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