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第693話

飯を食べ終え、三条とのゆっくりとした時間。 団欒というやつだ。 テストが近くなり仕事は増える一方だが、この時間を楽しみに毎日仮面をしっかりと貼り付け教師のフリをしている。 そんな恋人は今日も教授に院にこないかとナンパされたらしい。 「でも、ま、自慢の教え子が将来有望で期待されんのは悪くねぇな」 恋人なことを差し引いても自慢の生徒だ。 ただ単に勉強が出来るばかりではない。 人の気持ちを考えられる。 優しく、おおらかだ。 すぐに動くことが出来る即戦力もある。 そんな優秀な良い子を学校は放ってはおかない。 それに、教えたことを面白いくらいに吸収し、自分のものにしてしまう能力に長けた子だ。 欲しいに決まっている。 「俺の自慢の生徒で、恋人だもんな」 『…はい』 「照れてんのかわい」 ま、俺のだけどな 「俺は楽しみだなぁ。 遥登が先生って呼ばれんの」 『合格したからって安心してはいられませんよね。 卒業しないと』 「待ってるから、しっかり勉強してもっと教授達悔しがらせろ」 『そんなことして良いんですか…』 「良いんだよ。 惜しい人材こそ手に入れるには苦労するもんだ。 俺みてぇにな」

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