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第696話
隣でくっつく三条だったが、次第に重さが増していく。
それと同時に清潔なにおいが鼻を掠める。
寝たのか
珍しいな
そんな気配もなく寝落ちた恋人。
疲れているといえばそうだろう。
卒論だ、レポートだ、頭を使うことは沢山ある。
食事で得た栄養がすべて脳に行っているかのような子だ。
スタミナこそあるが、疲れることだってあって当たり前。
それを睡眠で補うのは当然だ。
折角の2人の時間なのに、なんて関係ではない。
もうお互いの認識は家族なのだから。
観ていたドラマを消し、脚にかけていた毛布を引き上げる。
いつか、こうして穏やかに暮らせたら良いな、なんて柄にもないことを思う。
静かにとはいかないだろう。
歳の離れた弟達もいる。
教職も良くも悪くも賑やかな毎日だ。
いつになるかは分からない。
いつだったか三条が言ったように、三条が定年退職を迎えるまでは、そうやっめ賑やかに過ごすのだろう。
ゆっくりしたいのなら、休日に穏やかに暮らせば良い。
寄り掛かる頭にそれをくっ付け長岡も目を閉じる。
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