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第708話

どの長岡もえっちく見える。 こんな端正な顔からは、かけ離れた雄のにおい。 スワイプする手が止まらない。 おかずを選らぶ余裕すら薄れていくようだ。 「…っ、」 先程の脱衣も良い。 この前のセックスのハメ撮りも。 外での露出は長岡の楽しそうな声が良い。 名前、呼んでくれてるのと… 笑ってるやつ… 恥ずかしさより快感が勝ち、身体が燻りがどんどん酷くなっていく。 記憶を便りにおかずを選ぶとイヤホンを片耳に差し入れ、再生をタップする。 『気持ちいかよ。 淫乱』 『…っは、い…』 『なら、もっと味わえ』 楽しそうな声が身体を撫でる。 首の後ろからゾクゾクしたモノが背筋を撫でるのがたまらない。 『遥登は誰のナニなんだっけ?』 『まさ、…ねさっ、の、…い…っ、……いぬ、で…あ゛っ』 この時のセックスの激しさを思い出してしまう。 激しくて、甘くて、しあわせで、溶けてしまいそうに気持ちが良かった。 扱いているのは自分自身の手だが、なんだか長岡に触れられているような感覚すらある。 もっと冷たくて大きい手だ。 節は太く男の指で、その指先はチョークで荒れていてる。 自身のことに無頓着なところさえ、長岡らしい。 あの手に触れられたい。 握られたい。 扱かれたい。 それからキスもしたい。 肩にも、首にも、唇にも。 そうすると、きっと生意気だと手は激しくなる。 『…あっ、ぁっ、…まっ、さ…、……んんっ、あっ』 『良い声。 たまんねぇ』 『まさ…っ、さ…』 『ほら、キスするから口開けろ』 動画の中の自分が恨めしい。 自分だが、自分だって長岡とキスがしたい。 セックスがしたい。 セックスが。 長岡と。 扱く手の動きが早くなり、玉がきゅーっと上がってくる。

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