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第725話

手を洗い戻ってくると、先程自分がいた場所で三条はブランケットにくるまっている。 まぁ、自分がブランケットをかけたのだが。 それで顔を隠すようにソファの上で丸くなっているのが、なんだか嬉しい。 「遥登、アイス」 「……ありがとうございます」 「セックスの後に食うアイス美味いよな」 「……」 「あぁ、コーヒーもだよな」 ブランケットにくるまった三条が真っ赤な顔を覗かせた。 「意地が悪いです…」 「好きだろ」 三条は言い返せないとばかりの顔を、ふいっと逸らせた。 クスクスと笑いながら隣へと腰を下ろす。 すすっと脚を邪魔にならないように折り畳むのが三条らしい。 そんなこと気にすることはない。 だけど、同時にとても三条らしいとも思う。 かわらなければ良いなと思う恋人の好きなところだ。 持ってきたアイスを2つに分けた。 渡そうとした手を止めて、ブランケットの上にのし掛かる。 「うわっ」 「アイスだぞ」 「渡し方の癖が強い…」 「遥登が出てこないからだろ。 ほら、食おうぜ。 コーヒーもおかわりあるしよ」 のそのそとソファから降りる大好きな子。 頭をくしゃっと撫でてからアイスを手渡した。 「セックスの後は、やっぱアイスだよな」 「……はい」

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