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第736話

「末の弟が、サンタさんにクッキーとトナカイに人参を用意したんです。 そしたら、次男がサンタクロースは酒の方が良いんじゃないかって。 折角日本に来たら日本酒をお土産にするのも良いだろって」 「酒は喜びそうだな。 でも、酒飲んでプレゼント運んでるのは確かに夢がねぇな」 「ソリも飲酒運転とかあるんですかね」 「切符切られるサンタクロースは流石に見たくねぇな」 「確かに」 クスクスと笑いながらケーキを口に運ぶ。 小さなことで、きちんと返答してくれる真面目な恋人だ。 「俺からサンタクロースへのプレゼントはホットアイマスクです。 サンタクロースも忙しそうですから」 「そりゃ、嬉しいな。 今日は激務だからな」 世界中の子供達にプレゼントを運ぶなんてブラックだ。 だからこそ、各家庭に派遣業務が連絡される。 それでも、サンタクロース業界はホワイトとは言いにくいかもしれない。 けれど、それでも仕事帰りに更に時間をかけて派遣業務をすることさえ愛おしい時間なんだろう。 自分がそうであるように。 「良い子の遥登にプレゼント」 「俺からも正宗さんにプレゼントです」 愛おしい気持ちを込めてのプレゼント。 どうか気に入ってくれますようにと願いを込めて手渡した。

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