745 / 984

第745話

長岡の服を身に纏い、長岡本人にしがみつく。 においが濃い。 首に顔を埋めて喘ぐと、口からも鼻からも長岡のにおいが入り込んでくる。 クラクラする。 長岡に溺れる。 「ぁ…っ」 「こんな良い声なのに、抜くのか?」 ズラされるのともなく、手を突っ込んだだけ。 こんな状態で射精してしまえば下着を汚してしまう。 ボトムスにまで染みてしまうかもしれない。 汚した着衣は洗濯をしたら良い。 下着だってこの部屋に替えがある。 だけど、そういう問題ではない。 「…だ…、……」 「んー?」 「ぬくの、…だ…め…」 喉の奥で殺しきれない笑い声に腰が痺れる。 ジンジンした痺れが全身へと拡がっていく。 爪先から髪の毛の先まで気持ち良いと錯覚している。 どこに触れられても気持ち良いと頭が変換してしまう。 「駄目だよなぁ」 「……ん、……んっ」 「クリスマスなんだから、甘えろよ」 クリスマスだから。 今日は、特別な日だから。 都合の良い解釈を噛み、飲み込む。 「……あっ……っ、ぁ、……も、と…」 もっと。 長岡が欲しい。 酷くして欲しい。 「もっ、と……、ひどくして…くださ……」

ともだちにシェアしよう!