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第753話

ユサユサと揺さぶられる度に、腹の奥がぎゅぅぅっと長岡を締め付ける。 離したくない。 気持ち良い。 本当にもっと感じさせてくれている。 気持ち良い。 気持ち良いのが全身に拡がる。 「…あっ、……あっ、…」 腰を鷲掴む手に手を伸ばして、グッと握り締めて堪えた。 守ってもらっておいて自分から我が儘は言えない。 だけど、長岡から手を掴んでくれた。 「少しなら良いだろ。 遠慮すんな」 快感で歪む顔を優しくやわらげて、そう言ってまでくれる。 セックスは意地が悪くサディストだけど、どこまでも優しい人だ。 「掴まってろ」 袖をぎゅっと握り締めて、長岡とセックスをする。 それが、たまらなくしあわせだ。 しあわせで包まれているのに、身体は興奮していて陰茎からダラダラ先走りを垂らしている。 玉もパンパンに精液をつくっている。 こんな欲に塗れた姿を晒せるのは長岡だけ。 その長岡とセックス出来るなんて、すごい奇跡だ。 「すき…っ、」 「俺も、好きだ」 現実の奇跡は、こんなに愛おしい。

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