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第757話
シャワーの音を聞きながら飯の支度をする。
すっかり楽しんでしまい昼時だ。
ゴロゴロだらだらするのは昼飯を食い終えてから。
レトルトのソースに足す野菜を切り、同時に野菜スープ用のそれらを煮る。
せめてもの気持ちだ。
変な体制でもがっついたので三条の腰は骨と床とで擦れ赤くなっていた。
申し訳ないと謝れば、ふにゃふにゃしながら気にしないでください、痛くないです、と返すばかり。
本当に人間が出来ている。
厚切りのベーコンを取りだし、多めに切る。
詫びの気持ちは肉だ。
一通り切り終わり、スープの煮える鍋にコンソメを追加した。
インスタントであろうと手作りであろうと、三条はどちらでもにこにこしながら食べるが、やはり美味しいとあの顔で言われると作り甲斐がある。
そうしている内に浴室から戻ってきた三条が顔を出した。
そして、そのまま隣へとやって来る。
「シャワー、ありがとうございました」
「すっきりしたか」
「はい」
マグを渡せば感謝をし、早速ゴクゴクと飲んだ。
やっぱり懐かれると嬉しいものだ。
「襟足濡れてんじゃねぇか。
風邪ひいたらどうすんだ」
「これくらい大丈夫ですよ」
「心配だから、世話焼かせろ」
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