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第760話
おかわりもすっかり食べきってくれた三条。
綺麗に空になった皿。
食いっぷりと合わせて見ていて気持ちが良い。
「ごちそうさまでした。
美味しかったです」
「ん。
どういたしまして」
「洗い物は俺がしますね」
「んなの気にすんなよ」
「美味しかったですから、させてください」
皿を持って立ち上がる三条。
こういう気遣いの出来るところも尊敬しているが、気を遣われすぎるもの寂しい。
とんだ我が儘だろう。
だけど、折角会えているのだから離れなくて良いのなら触れられる距離にいて欲しい。
「俺もする。
その方が早いだろ」
眉を下げ、へちゃっと笑い、それから頷いた。
ケーキを食べるならコーヒーも用意したい。
どちらにせよ、炊事場には行くんだから気にしないで欲しい。
そう言えば、漸く納得した顔をした。
「晩ご飯の分は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。
乾麺は買い置きしてる。
別にコンビニで買ってきても良いし。
自分以外の味付けも美味いよな」
「そうですけど…」
「また遥登食わせてくれんなら、遠慮はしねぇけど?」
「すぐ、やらしいことを言う…」
「好きだろ」
「やらしいことが好きなんじゃなくて、正宗さんが好きなんです…」
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