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第777話
一樹を家まで送り届ける。
性別は関係なく時間も時間なので、一樹の親に家屋を見せてから別れた。
そのまま優登と共に自宅までやって来る。
「出掛けんの?」
「うん。
ちょっと」
「んじゃ、ホッカイロやるよ」
「ありがとう。
あったかくしてろよ」
「兄ちゃんもな」
じゃ、と軽く手を上げて自宅に入るのを見送ってから急いだ。
雪は止んでいるが冷えることにはかわりない。
長岡は気にしなくて良い、コンビニで飲み物を買って本を読んでいると連絡が来たが気にしてしまう。
これは性格だ。
いつもの駐車場までは走れば5分強といったところか。
滑らないように気を付けながら、先を急ぐ
駐車場近くまで来るとすぐに長岡の愛車を見付た。
たったそれだけだが、心が弾む。
早く会いたい。
近付くと、確かに本を読んでいる。
その姿さえ格好良い。
綺麗なラインが濡れて鮮明ではない窓から覗くのも良い。
なんてことを思っていると、人影に気が付いたのか長岡と目があった。
「っ!」
すぐにやわらかく目を細め、ひらひらと手を振ってくれる。
気持ちを隠すことなく顔認証出しながら、助手席へと乗り込んだ。
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