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第794話

「ねぇ」 「うん?」 「みあん、たべよ」 「もうすぐご飯だろ。 今日はご馳走だぞ」 「ごちそ?」 「蟹とか海老とか」 すると、綾登の目がキラキラした。 「えびふりゃ!」 「あると思うよ。 綾登好きだろ」 「すきぃ」 にっこにこの綾登の顔を見ていると、腹が空いてくる。 ふくふくの頬が大福みたいだからだろうか。 もにっとした頬を揉む。 幼児特有のやわらかい肉質がたまらない。 「あれぇ? こんなところにお餅があるぞ」 「へへぇ」 「すべすべだなぁ。 それに、もちもちだ」 「へっへぇ」 炬燵であたたまりながら、遊んでいると優登がマグカップを手にリビングに顔を出した。 「兄ちゃん帰ってたんだっ」 「ただいま」 「おかえり。 飯食ったら、お汁粉食べよ。 月見大福のっけたやつ!」 「うん。 食おう」 「あーともっ!」 「綾登も食おうな」

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