796 / 984
第796話
膨れている優登の頬を綾登がつついた。
つんつん、と触れると、優登は口を尖らせたまま口を開く。
「指、食うぞ」
「きゃぁぁっ」
三男は喜んでいるが、良いのだろうか。
次男の持ってきてくれたココアを飲みながら様子を伺う分には大丈夫そうだが、なにせ反抗期真っ最中だ。
自分でも自分の感情をコントロール出来ない。
そんな中でも膨れっ面だ。
小さな指が、また頬をつつく。
と、その指をパクッと唇で挟んだ。
「たべた!!!!」
目を真ん丸にした綾登は、次男を指差し兄にアピールをする。
「ぱくって!
たべた!!」
「食われたなぁ」
「たべたぁ」
決して歯をたてないのを知っている綾登は嬉しそうにきゃっきゃっと喜んでいる。
なんだかんだ仲良いもんな
「おいし?」
首を降る兄に、綾登はまた笑う。
「おいしーよ」
優登はそれでも、また首を降る
ともだちにシェアしよう!

