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第809話
「たあいま」
「ただいま」
末っ子と部屋を覗くと、次男が炬燵で寝ていた。
卓上には課題の痕跡。
それと、個包装のお菓子の袋が散らばっている。
自分のと同じ教科書だが、6年の差があるのでそのほとんどを新調した。
使えるものは使いたいと言われたので、渡したものもあるが、国語科のものは自分の部屋に置かれたまま。
やはり、特別な想いがある。
「ゆーと、おとたま」
「ん゛ー…、なに……」
「ばぁばと、じぃじが、ゆーとのって」
「んぁ…」
ポチ袋を、はいっと渡され、寝ぼけ眼が頭を下げた。
「ありがと」
「どいたまま」
「課題終わったんじゃねぇの?」
「んー、次の範囲のノート作ってた。
あと、テストあるから」
なんだかんだ真面目な次男は、こういうところでコツコツと継続させるのが上手だ。
頑張る時はしっかり取り組み、ダラけたい時はしっかり休む。
ストレスはお菓子の生地に混ぜ込み、高温で加熱してしまう。
一番、健全な子だ。
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