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第815話

長岡は大人だ。 性格は時々悪戯っぽく自分達と同じくらいにも思えるが、考え方や態度が大人。 特に学校での接し方は、大人扱いでも子供扱いでもなく等身大の高校生として受け入れてくれ、そう接してくれている。 その姿は、他の教師達とは違い、嫌もない。 大人だと思った。 だけど、シンプルに大人なだけではない。 子供心を忘れていない。 だからこそ、人としても惹かれる。 出合った時からそれはかわっていない。 飾らない性格が好きだ。 生徒を守ることが大人の役割だと考える背中が好きだ。 憧れ、なんて言葉では足りない。 長岡をみていると不安を忘れてしまう。 とても人間らしい人だから。 不思議と、そんなことを思うことすら忘れてしまうんだ。 『だから、ゆっくりおっきくなれ』 穏やかな声が胸に届く。 『もっと、見ててぇ』 「見ててください」 長岡は起き上がると、画面を見た。 『ん。 見てる。 男子三日会わざれば刮目して見よ、つぅしな』 「3日ですか?」 『1日も目ぇはなしたくねぇな』 甘い台詞に、アイスクリームより甘い気持ちになる。

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