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第816話

「ゆきだーま」 「雪だるまだろ?」 しゃがみ込む頭を見ながら雪玉を作る。 朝ご飯を食べ終え暫くは子供向けの動画を観ていたのだが、やっぱり身体を動かして遊びたいらしく、庭に出てきた。 身体が冷えたらお家に入ってあったまる、を母親と約束して。 いくつか雪玉を重ねただけの雪だるまを作っていたのだが、何分小さい。 コロコロ転がして雪を纏わり付かせていく。 「おっきいの」 「おっきいのは重いからなぁ…。 中くらいでも良いか?」 「んー」 唇を尖らせても、それ以上は言ってこない。 小さくても困らせてはいけないと思っているらしい。 帽子を被った頭をくしゃっと撫でた。 「出来る限りは、でっかくしようか」 「うんっ!」 「優登も手伝ってもらえば良いもんな」 「ゆーと、してくれる?」 「してくれるよ。 綾登がお願いしたら、なんだかんだ言ってもしてくれるだろ?」 「うん」 「なら、大丈夫だよ」 鼻の頭を真っ赤にして、大きく頷いた。 その本人は、昼寝の真っ最中なのだが。 夜中まで友達とオンラインでゲームをしていたのに、朝ちゃんと起きてきたから無理もない。 ゆっくり起きてきたら良いのに、そういうところは律儀だ。 「んしょ」 「お、力持ち」 率先して雪玉を造ってくれる弟と一緒に雪だるまをつくっていく。

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