「おさんぽ、いこぉ」 「今帰ってきたばっかりだろ」 保育園かは帰ってきて早々、三男は長男のボトムスを引っ張った。 「だめぇ？」 「散歩に行くのは別に良いけど、公園か？」 「ちあう。 あっち」 小さな指が、あっち！とどこかを指差すが生憎理解してやれない。 母親を見ても、分からないとばかりの反応を返された。 遊べる場所以外の場所を口にするにはまだ幼い。 精々、ご飯を買う所やコンビニ、本屋やゲームコーナーがいいところだろう。 「分かった。 けど、寒いからあんまり長居はしねぇよ」 「うんっ」 今日も雪がチラつき、風も冷たい。 面談も近いので、あまり体調面の不安はつくりたくない。 とはいえ、弟との散歩は楽しいし気分転換にもなる。 断る理由はない。 「じゃあ、マフラーとってくる待っててな」 「あーいっ」