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第835話
「どこ行くんだ?」
「あっち!」
綾登に手を引かれ、その後ろを歩く。
完璧な防寒をされたモコモコの弟。
おやつも食べずにどこに行くのか。
雪を踏みながらどこかへ歩く。
のだが、綾登の足がどんどん遅くなっていく。
「こまったなぁ」
「迷った?」
「あ!」
「なにしてんの?
散歩?」
「優登。
おかえり」
「ゆーとー」
状況を読み込めない優登は、三男と兄を交互にみている。
それでも、現状を理解しているのは誰一人としていない。
「はぅの、いきたいの」
「兄ちゃんの?
あぁ、なるほど」
だが、三男の言葉からなにかを理解したらしい次男はこっち、と先を歩き始めた。
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