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第861話

「素でしてんだよな?」 「なにをですか?」 射精し終わった陰茎を拭くなんて、三条の成長には驚くばかりだ。 いや、この場合は時分が教え込んだ“掃除”の一貫なのか。 どちらにしても、高校生の頃の三条ならもっと恥ずかしがっていたはずだ。 それが、今は自分の好みに動くのだから時間というのは金と同等の価値があるというのも頷ける。 「気持ちかったよ」 「良かったです…」 一緒に洗面台で手を洗い、漸く部屋へと戻る。 すっかりぬるくなったお茶だが、部屋はあたたかいので構わない。 それをマグから煽り、時刻を確認した。 「時間大丈夫か?」 「はい。 まだ大丈夫です」 「飲み物、あっため直すか?」 「大丈夫ですよ。 これくらいだとなにも気にせず飲めます」 「じゃ、もう少しイチャイチャすっか」 ソファに寄り掛かるように座り、その隣をポンッと叩く。 ソファなら三条の遠慮もあるが、床ならそれも薄い。 それを知っていて床を指定する。

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