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第862話

素直に隣に座る三条。 やはり、セックス後は特に素直だ。 「今日のレシートは?」 「レシート…?」 「寄越しな」 手を差し出すと、三条は渋い顔をする。 まさか、学生に食費を出してもらうなんて出来やしない。 デートでとかならまだしも、日常の範囲だとどうにも抵抗がある。 「……捨てちゃいました」 「本当かぁ?」 「…………ほんと、です」 「へぇ?」 バレバレの嘘だからこそ可愛いが、金銭面はしっかりしなくてはいけない。 それが例え恋人でも、家族でも。 寧ろ、大切に思う相手だからこそきっちりしたい。 長く関係を続けたいからだ。 「じゃあ、バイト代。 飯も美味かったし、本棚も綺麗になってる。 助かったよ」 「いえ。 これくらい、いつでも言ってください。 バイト代もありがとうございます」 「お礼を言うのは俺だよ」 少し生々しいが、バイト代の入った封筒を手渡した。

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