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第864話
「ただいま」
「おかえりっ、どうだった?」
帰宅するや否や、弟達が廊下へとやって来た。
そりゃそうか。
今日は、面談の日だ。
つい先程まで、採用される先の校長達との面談だった。
気になるのは頷ける。
「んー…」
「はう、じょーず に できた?」
「んー…」
靴を脱ぎながら、チラッと弟達の様子を伺うとソワソワしている。
校長達との面談があると知り、朝も応援をしてくれた末っ子。
こういう時は甘いもん!と食べやすいスティック状のチーズケーキを作ってくれた次男。
もう少しこの顔を見ていたいが、心配をさせたいわけではない。
「まぁ、話せたよ」
「すごいねぇ!」
よしよし、と頭を撫でる小さな手は、母親にそっくりだ。
「これで、後は気儘に待つだけだな」
「気儘なのか…?」
「なぁに?」
「んー、と、自由に?って意味かな」
ふぅん?と興味なさそうな声をさせると、おんぶとばかりに背中に上ってきた。
その身体を気にしながら立ち上がる。
「たかい!」
可愛いから、つい甘やかしてしまう。
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