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第879話
「やっぱ寒いかもしれねぇ…」
駅前のベンチに腰掛け、3人並んでアイスを食べる。
いくらラーメンとアルコールを摂取しても、冷えはする。
それでも、しょっぱい物の後の甘味は美味しい。
「分かる。
中入ってもいいけど、なんかな」
「食ってるしな」
見慣れた制服も目の前を通る。
ほんの4年前まで着ていた服なのに、懐かしいと言う友人にピカピカの制服を見せる。
「優登、反抗期終わった?」
「まだ。
俺にはそんなことねぇけど」
「三条の分の反抗期も満喫してんじゃねぇの?」
「なにそれ」
「俺達には反抗して良いんだからな」
「じゃあ、ピコ1個頂戴」
にっと笑って見せると、吉田は顔をしおしおさせながらアイスを差し出した。
「ありがとう。
吉田は優しいな」
「うん…。
だろ…」
「吉田、ほら。
別に貰いっぱなしにするつもりはねぇよ。
1/6食って良いから」
「やったぜ!」
「ははっ、現金だな。
因みに、月見大福は2個入りだから半分だぜ」
「田上のは良いよ…。
割り分があれすぎる。
な、三条」
「答えにくいやつを俺にふるなよ」
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