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第881話
それから、もう1つ。
「お、かえりなさい…」
「ただいま。
急に会議入って悪かったな」
「いえ…」
長岡とも時間を使いたかった。
子供として甘えられる──長岡が甘やかしてくるのはいつものことだが──内に甘えたいと思った。
一緒に昼寝をしたり、飯を食べたりして時間を使いたい。
直接が良かった。
そのことを伝えると二つ返事が帰ってきた。
けれど、いざ2日前になるとその日の午前中に会議を詰めたいと言われたことを渋い顔で言われたんだ。
時期的に忙しいのは重々承知している。
なので、入れ違いで長岡の部屋へとやって来て、今こうして家主を出迎えている訳なのだが。
「でも、早目に終わって良かったよ。
昼までとか言われたら、だりぃし」
靴を脱いだ長岡が1歩脚を出して、壁際へと追い詰める。
「はぁる」
「は、い…」
「楽しみにしてくれてたんだろ。
俺も、楽しみにしてた」
「…っ、」
近付いてくる顔に肩が大袈裟なくらい跳ねた。
なのに、長岡は楽しそうな顔をしている。
マスクが顔の半分を隠していても分かるほとだ。
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