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第882話
恥ずかしくて視線を逸らしてしまう。
少しだけ俯くと髪が目元を隠してくれた。
けれど、長岡との身長差はもう数センチだけ。
視覚を遮るにはあまりにも心許ない。
けれど、隠してくれるものがあるだけ良い。
少しだけ余裕が欲しいから。
そして、数度息を吐いて、吸って、と意識して繰り返す。
「あ…の、」
「うん?
どうした」
なにを言おうとしているか知ってる癖に、にっこりと笑顔を向ける恋人。
こんなことは、長岡だから言える。
長岡以外には無理だ。
廊下の壁に顔を押し付け、身体を支える。
そして、ボトムスと下着を一緒にずり下げた。
「……、かくに、ん……して、ください…」
尻朶を割り開くと、僅かにコードが覗いているのが丸見えだろう。
恥ずかしげもなくしている訳ではない。
恥ずかしい。
馬鹿みたいに恥ずかしい。
それでも、ケツを突き上げるように差し出す。
「気持ち良い?」
「…はい。
けど……、正宗さんに…、見られてる、今の方が……」
「今の方が?」
冷たい手が、ケツをペチッと叩いた。
思わず、キュゥッと後孔が締まりローターを更に飲み込んでしまう。
「きっ、…もち…ぃ、です……」
「マゾだもんな」
背後を伺うことは出来ないが、その声がどんな顔をしているのかを伝えてくれている。
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