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第883話
「リモコンはどうした?」
「あっ、ち…」
「じゃ、部屋行くか。
俺も手洗いてぇし、着替えてぇし」
ことの発端は、長岡に会議があると言われた日のことだ。
別に仕事が入るのは今回がはじめてではない。
それでも、長岡にとっては可愛い恋人が折角甘えてくれたのに、という気持ちがあったのだろう。
甘えるだけで良いのか?
したいことねぇのか?
食いたいもんは?
セックスは?
と、時間を有意義に使いたいという気持ちがヒシヒシと伝わってきていた。
だから、少しだけ更に甘えることにした。
『セックスもしたいです』と。
「なら、あっちで楽しもうな」
どこか絶対の響きを纏わせた言葉に後ろを伺うと、下着とボトムスを直された。
それはそれで恥ずかしくて、また顔を俯かせてしまう。
けれど、長岡がそれを見逃すはずもなく。
「入れてるだけで気持ちい?」
「…ん、」
「素直だな。
けど、ほら、寒いから行くぞ」
ケツを丸出しにして風邪をひくのは流石に…。
それに、部屋に戻ったら…という期待もある。
長岡の言葉に頷き、その背中に続いた。
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