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第885話

ローターのコントローラーを差し出すと、長岡はそれを通り越して手首を掴んだ。 「え…?」 押し倒されたベッドからも長岡のにおいがする。 至福。 そんな言葉が頭に浮かんだ。 「良い…におい…」 「…はっ、そこかよ…」 長岡は、上に四つん這いで乗り上げたまま、くくっと喉の奥で笑った。 その姿がなんだか色っぽい。 直接会えなかった間に、また大人の色気を孕ませている。 「…だって、久し振りだから」 「久し振りだから、嬉しい?」 嬉しい。 すごく。 すごく、嬉しい。 「そういう顔してる」 長岡でいっぱいだ。 上も下も、本人もいて、空気も長岡のにおいがする。 それに、今からここでセックスをする。 そんなの、たまらない。 ベッドにつく手に触れ、甘えるように上を見上げた。

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