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第887話

ベルトが外されると、下着ごとボトムスを下ろされる。 そうしながらも、大きな手が腹を撫でる。 擽ったくて腰を捻ると、それ幸いにと器用に下半身が露出してしまう。 露出したとはいっても、着衣自体は脚に絡まったまま。 なんだか全裸より、一部分──それも性感体だけを露出している方が恥ずかしい気さえする。 「まっ、てください…っ」 「俺も脱ぐから、今は脱がされてろ」 すりすりと腹を撫でていた手が、今度は胸を目指して這い上がってきた。 冷たい手が、ゆっくりと肌を舐める。 思わず声が漏れてしまう。 恥ずかしい。 こんな昼間から、えっちな声を漏らしてしまっている。 いくら今日は甘えようと思っていても、頭はブレーキをかけようとし、思わず唇を噛んでしまう。 だけど、それを長岡が見逃すはずもない。 「噛むな。 良い子だから出来るよな」 「…良い子ではないですけど…」 「良い子だろ。 俺の為のローター入れて待っててくれたんだろ」 それは…、そうなのだが…。 それとこれとは違う気もする。 けれど、長岡の顔を見て口から力を抜いた。 「そうしててくれ」

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