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第890話

男らしく逞しい身体。 この身体に好きなようにされているんだと思うと、下半身がガチガチになっていく。 こんな、はしたない自分が恥ずかしい。 思わず脚がピクリと震えた。 「あーあー、まだ触ってねぇのにすげぇな。 我慢汁出てんぞ」 古典の美しさを説く口から、我慢汁なんて品のない言葉が発せられるなんて。 倒錯していくのが頭を馬鹿にしていく。 「…だって、」 「だって、淫乱だから? それとも、欲求不満?」 わざと煽っているなんて理解してる。 頭が解っていても、身体は喜んでしまう。 長岡の言う通りだ。 淫乱だから。 欲求不満だから。 自分や家族を守ってくれている人に、我が儘なんて言えない。 言えないからこそ、溜まっている。 それに、いまだケツのナカでもどかしい振動をさせているローターが身体の表面をジワジワとなぶっていく。 全然足りないのに、無視することは出来ない刺激。 それが、とろ火で身体の熱をあげていく。 そんなの、長岡に躾られた身体には堪えるなんて無理だ。 「あ…っ、」 大きな手がいきなり掴んだかと思えば、すぐに上下に扱きだした。 それも、好きな力加減、早さで。 こんなの…、こんなの…… 「はっ、……ぅ…んっ、……ハァ…っ」 「ははっ、我慢汁とまんねぇな。 音もすごいなぁ」 粘液が空気と混ざる音をわざと強調され、背中が丸まった。 それでも、快感は逃げてくれない。 下半身から、乳首から、拡がっていくソレ。 ジンジンと乳首と陰茎を燻り、そして“もっと”を求めていく。

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