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第909話
規則正しい寝息を聴きながら、その顔を眺める。
やっぱり好きな顔だ。
穏やかで優しそうなパーツと顔立ち。
白い肌は風呂とドライヤーの熱で少し赤らんでいる。
その頬にかかる髪は、細くて色素が薄い。
三条がコンプレックスだというそれらは、すべて三条を作り上げる美しいところだ。
どこも漏れなく愛おしい。
睫毛もよく見える。
睫毛は髪より黒っぽい。
眉毛もだ。
何度見ても飽きないのは、好いた相手だから。
ベタ惚れだ。
髪を撫でるように頭を数度撫で、腰まで手を下ろす。
そして、ブランケットの上から抱き寄せて、抱き締めた。
折角この距離にいるんだから離れていたら寂しい。
起きたら、この距離にどんな反応をするだろうか。
気になるが、恋人の子供体温に誘われ眠くなってきた。
帰宅時間があるのでアラームだけセットし、目を閉じた。
起きても三条がいてくれるのが分かるから眠れるんだ。
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