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第914話
何度食べても、かきたまのうどんは美味しい。
いつもの味付け。
いつもの具材。
だから、好き。
「美味しいです!」
「そういう顔してる。
美味そうに食ってくれると嬉しいよな」
「本当に美味しいですから」
きっと、このうどんも甘やかしの1つなのだろう。
長岡はそういう人だ。
あったかくて優しくて。
「次はカレー、一緒に食おうな」
「カレー!
正宗さんのカレー大好きですっ」
尻尾が大きく揺れたって恥ずかしくない。
嬉しいものは嬉しい。
美味しいものは、美味しいんだから。
それは当然の反応だ。
ピリリと辛い野菜のゴロゴロしたカレー。
想像しただけでも、嬉しくなる。
「待ち遠しいです」
「遥登が甘えてくれりゃあ、いつでも作るぞ。
ほら、正宗さん大好きだからカレー作ってって言ってみな」
「それは、イコールにはならないんじゃ…。
でも、正宗さん大好きです」
長岡は嬉しそうに笑った。
「カレーのお強請りは良いのかよ」
「カレーも好きですけど、1番は正宗さんにかわりないですから」
「そういうとこな。
帰したくなくなるだろ」
長岡と過ごす時間は、本当にしあわせだ。
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