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第915話
リュックに借りた本を詰め込み、キャップを被る。
こんな時間なのでキャップは被らなくても良いのだが、暗闇に油断して長岡とイチャイチャしているところを見られるのもマズいので一応だ。
「準備出来たか?」
「はい。
本、沢山お借りします」
「どうぞ」
優しく目を細められ抱き締められる。
柔軟剤のにおいと、長岡のにおい。
華やかだけど落ち着くにおいだ。
そのままキャップの上から頭を撫でてくれる。
本当に、とことん甘やかしてくれているのが嬉しい。
「また甘やかさせてくれよ」
「いつも甘えてますけど…」
「あれでか?」
いつも十分甘えていると思うのだが。
自分に甘い長岡の感覚では足りないのだろうか。
「甘やかすの、すげぇ楽しいから定期的に甘やかす日つくるか?
セックス前から後まで全部俺がしてやる。
終わったら、飯も作るし」
「それこそ、今とかわりませんけど…」
「そうか?
なら、首輪つけて散歩するか?
好きだろ」
クスクス笑う辺り冗談も混じっているのだろう。
こういう茶目っ気のあるところも好きだ。
学校での長岡とは違うと分かるから。
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