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第916話

コンビニへと寄った長岡を待ちながらスマホを弄る。 暗いと本が読めないのが残念だ。 まぁ、行き先はコンビニ。 すぐに帰ってくるならスマホを弄るか、ボーッとするのが丁度良い。 「待たせた」 「いえ。 おかえりなさい」 「ただいま。 お茶と、アイス。 食おうぜ」 差し出されるお茶のペットボトルとパプコ。 それから視線を上げると、バリッと外装を破いた。 「ほら、半分」 「ありがとうございますっ」 自覚するほど、今日は自堕落に過ごしている。 だけど、長岡は隣で嬉しそうに甘やかしてくれるので満更でもない。 やっぱり、好きな人の嬉しそうな顔が好きだから。 千切った蓋部分をちゅっと吸い、本体を吸うがまだ硬い。 同じことを思ったのか、長岡と目があった。 「硬ぇな」 「寒いですから。 握りますか?」 「じゃあ、頼もうかな。 少し移動する」 長岡の分も手渡され、両手にアイスを握り締めると車はゆっくりと駐車場を後にした。

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